三浦 天海 Umi Miura
経歴
1995年2月5日 神奈川県生まれ。
2015年11月 ATSUGI Image Projection Award 入選
2017年3月 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。
1995,February,5th Born in Kanagawa.
2015 ATSUGI Image Projection Award
2017 Graduate from Tama Art University.

私の制作におけるテーマとは、「視点によるイメージの変化」である。私の作品は主に、鏡面加工された素材・艶のある表面の物質・透ける素材(光学的に変化するもの)などを用いて制作している。具体的には既製品のアクリル素材、ミラーシート、ステンレスなどの金属素材などが挙げられる。私がこれらの素材を使用する理由は、単純にこのような素材を私が美しいと思うからということもあるが、それ以外の理由としては、それらの素材を使用して作られる作品というのは、鑑賞者の見る位置・視点によってその見え方が光学的に変化する。つまり、ある位置(仮にA地点とする)から見たときと、少し移動した位置(仮にB地点とする)から見たのとでは違うイメージを鑑賞者は視覚的に受け取ることになる。そして、それは見る時間や状況によっても変化し続ける。本来、作品と鑑賞者の関係とは静的なものであったのに対して、私の作品は鑑賞者の動きによって変化するため、鑑賞者と作品の間に動的な関係を作り上げる。そして、仮に鑑賞者が2人以上いた場合、見る位置によって見え方が違うので、同じ作品を見ている鑑賞者の中でも違うイメージを共有するという現象が起きる。そしてそれは鑑賞者が多ければ多いほど複雑化していく。つまり、「見るもの」と「見られるもの」の関係を歪ませる装置と言うことが出来るかもしれない。そして、具体的なモチーフとなっているものは「街や自然」だ。それは基本的には自分の記憶から抽出されているもので、それを元に美しいランドスケープを創造している。(New Modelシリーズ)
他の表現パターンとして「Warp Cube 2014」では、同じ展示空間にある他の作品、鑑賞者、作品の関係を歪ませる装置、また、「The Mirror Suit Man In Warp Forest 2014」のように、自然と自分と人工物の関係性を歪ませるという作品などがある。私の作品をアートの文脈から語ると、キネティックアートの一部であるAnish Kapoorや井上武吉の一部の作品などに代表される、ライトアートの再考という意味も持たせることが出来るだろう。より現代的な作家を挙げると、Olafur Eliasson、Anselm Reyle、Berta Fischer等の作家がそれに当てはまるかもしれない。そして、映像や身体等の複数のメディアを作品に取り込むことによって「現実と虚構」というコンセプトも追加されている。
メディアを使用したパフォーマンスについて
テクノロジーの進歩に対して、ヒトという生物は対応できていない。例えばスマートフォン・PCの普及によって、ヒトの目という器官は眼精疲労等の原因から視力が低下している。(視力の低下に関しては遺伝的なものも影響するが)そしてそれをメガネやコンタクト等で感覚を拡張して、その場しのぎをしている。つまり、ヒトという動物の元から持つ身体機能はテクノロジーの進歩に対して時代遅れなのだ。それに対応するためには、人間は生物的に進化する必要がある。だからこそ、テクノロジー・メディアと自分の関係性を確認するべく、私はパフォーマンスを行うのである。テクノロジーの進歩に対する身体による抵抗として。
そして、ある特定の感覚器官が拡張されるとその人間の五感のバランス・感覚の比率が変化するとオーストラリアのアーティストのステラーク氏は語っている。それはつまり、その人間の内面の歪みが発生するということで、個人の変化というものは社会に影響を与える。そしてそれは世界のリアリティの変化につながる。その変化し続けるリアリティの中で、我々は何を持ってこれを現実であると捉えているのだろうか。
パフォーマンスという表現方法は、リアルタイムならではの感動を鑑賞者に見せることが出来る。そのためにパフォーマンスとして映像を制作する為のアクションを起こして映像制作の工程を見せることによって、現実と虚構を同時に見せる。そしてどこまでが画面の中で、どこからが画面の外で、何が現実で何が虚構なのかを私は問いたい。
©︎三浦天海